菊池寛アーカイブ

時代を創った人 「菊池寛」

はじめに

いま、菊池寛について深く語れる人間は少ない。

「父帰る」「藤十郎の恋」などの戯曲、「恩讐の彼方に」などの短編を一度は読んだことがあるという人ならたくさんいるだろう。「文芸春秋社」の創業者、「芥川賞」「直木賞」の創設者であることを知識として記憶している人も少なくはない。しかし、菊池寛という人間の「面白さ」「革新性」を、時代という文脈の中で語れる人間はほとんどいないのではないだろうか。彼が、大正・昭和を通して、「ジャーナリズム」と「映画」という新しいメディアの創出に大きく関わった事実を、多くの人々は知らない。

インターネットの時代になぜ「菊池寛」なのか。それは、彼の言動と行動、足跡を追うことで理解していただきたい。例えば、私たちが菊池寛に取り組むきっかけとなったメッセージ「『文藝春秋』創刊の辞」に何かを感じないだろうか。個人主義という視点からメディアを生み出していった「菊池寛」の人間像を、これから私たちは丁寧に追いかけてみたいと思う。

1997年2月10日
honya.co.jp「菊池寛アーカイブ」編集部



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